各々の考えがあると思うので、
その考えを否定するわけでないけれど、

近頃、
「四間飛車は初心者向けの戦法ではない、
教えやすいから、というのは違うと思う」
的な意見を2、3聞いたので、
四間飛車党の観点からみると、
「そんなことはない」と言いたい。

四間飛車を初心者に教える上で良いことはたくさんある、が
その前に、
1,何を持って”初心者向け”と言うか
2,”教えやすい”というのは必ずしも教える側が楽をしたいという意味ではない

先に「2」について言うと、
確かに、四間飛車は教える側にとっても教えやすいというのはあるけれども、
初心者のタメになる、初心者が将棋の核を覚えやすい→だから教えやすい。という意味もあること。ここまで深く読んだ上で「教えやすいから初心者に教えるのは違う」というなら聞こう。

「1」について、
これをちゃんと考えて見ると、結構難しい問題であると思う。
しっかり自分の駒組みをできる”四間飛車”なのか、
攻めの基本型である”棒銀”であるのか、
勝ちやすい”ゴキゲン中飛車”なのか、
流行である”横歩取り”、”角換わり”なのか

ちゃんと考えてみると正直、この辺はどれも同じ意味合いで、どっちもどっち
だと思った。ゼロから将棋を始めようとした二人が同じスタートで駒の動かし方、ルールを覚えたばかり。片方に、どれか教えたら、教えた方が勝つが高い確率で勝つと思う。

先に結論的を言うと、初心者向けの「戦法」というと違うけれど
初心者に教えるなら、「詰将棋(1手詰め3手詰め)」と、あと「言葉で将棋を教える」のがいいと思う。あるいは、楽しさを教えたいのなら、最近は、玉・飛車・角だけの対局。

詰将棋はまんまだけど、「言葉で将棋を教える」というのは、
「自分が居飛車、振り飛車をどっちやるか決める」
「▲76歩」ではなくて「角を大きく使うために角道を開ける」、
あるいは「▲26歩」ではなく「飛車を縦に使いたいなら、飛車先の歩をついていく」
「美濃囲い」「矢倉囲い」という具体的な形や手順よりも「王様を守るために囲う、金銀を寄せる」
とかとか。

将棋に限らずかもだけど教えるというのは、
当たり前的だが「教わりたいという思い」がある人に教えるもので、、、
教わりたくない人にはどうしようもない…じゃなくて、
自分で強くなれる人は沢山いる、ということ。

初心者を脱したあとあたりには、
「定跡(的な変化)を教える、または、定跡を覚えて」という風につながってくるんだけど、
将棋強くなりたい子供に、将棋を知らない(知ってても?)父親が教えるとしたら
「まずこの本を読め」みたいな感じになると思う。
棋書を読むのは結構最初は難しいので、それで挫折する人も多いんだろうけれど…

将棋は序盤・中盤・終盤という構成、展開なので、
序盤を覚える、強化する、には定跡を沢山覚えていくことが肝心なので、
定跡を教わるのに苦ではない、もしくは苦しんでいてもちゃんと最後までやりきる人には、定跡から教えても良いかもしれない。

しかし大抵はそうではないので、
角交換を拒否して、飛車を振って、逆方向に玉を持っていって、っていう四間飛車はざっくり覚えやすい。細かい手順はあまり必要ない。
これで「駒組みをしっかりする」というのを覚えることができる。

覚えたてなら、駒組みがしっかりしていたら、闇雲に攻めて来て、闇雲に守っていても、勝率は高いと思う。

さて、将棋は、同じ棋力の人と指すばかりではない、
強い人と対局していって、基本的には強い方が勝つ(笑)
たくさん対局して、たくさん負けて強くなっていくわけだけど、
その時に、将棋の軸や型がしっかりしていないと、どこで悪くなった、
どこが悪かったなどがわかりにくい。

だからまずは、それをしっかりする必要があるわけで、
囲いや戦法という形を覚えていく。駒の損得など形勢判断を覚えていくなどがある。

という諸々を考えて、私が思うのは
初心者向けの戦法
というのは、初心者が将棋の考え方を覚えていくのに良い戦法ではないだろうか。

ざっくり四間飛車で初心者が学べること、良いことを書くと
・自分の駒組みができる、駒組みを学べる
・攻めのエリアと守りのエリアがはっきりする
・中盤のやりとり、駒の損得、効率、さばきを学べる土台がある
・序盤、中盤、終盤の構成がわかりやすい。
・中盤が終わったら、終盤、寄せのことや、手のスピード
・〜詰ませる、というまでの展開、感覚がわかってくるようになる。
・あと、棋書だと先手を持って書かれていることが多く、後手だったらどうするの?
という疑問がある本が多々あるけど、四間飛車は後手で書かれていることが多く(反転してる。)、かつ、先手番でも四間飛車は指すことができる。

”棒銀戦法”は、”棒銀”と言うと、攻めの基本の形なので、
こちらも重要なのであるけど、
・飛車の利きを活かして銀をすすめる、歩を使って銀をすすめる
・角銀交換になれば大成功、銀交換でも良い、飛車を成込むことができれば良し。
ということは覚えて行くのは大事なんだけど、
きちんと棒銀を受けられると、銀を引いたり前に出したりと…
入り口は簡単なんだけど、ちょっとしたら勉強レベルがぐんとあがる。
”棒銀戦法”なれば、ちゃんと玉を囲ったりとかいう手順も定跡であるし、
角道を開けたなら、角交換されて、違う変化、定跡も覚えなくてはならなくなってくる。

中飛車に関しては、
攻めが強力で、囲いも片美濃囲い、穴熊もできたりするので、良いかもですね。
攻めと守りのバランスが戦法(振り飛車だけでも振る場所によって)によって違うので、どのバランスがその人にとって好きか、合うか。というのが教える(教わる)上であるかもね。
ただやっぱり、角道開いてると、色々な変化があって難しくなるかも。

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